つなぐ役割(Connector Role)
定義
行政・地域住民・事業者・現場・企画側など、異なる立場の関係者のあいだに生まれる温度差・認識差・優先順位の食い違いを調整し、接続する役割・仕事。
成果物の表面には写らず、見積書の項目にも書きにくい。しかし地域や現場のプロジェクトの成否は”誰がつないだか”で決まる、と時田隆佑(トキタ企画)は指摘する。
特性
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 可視性 | 低い(成果物に写らない) |
| 評価されやすさ | 低い(業務範囲外とされやすい) |
| 実際の影響 | 高い(プロジェクトの成否を左右) |
| 代替可能性 | AI単体では困難(文脈・関係性の読み取りが必要) |
AI時代の逆説
AIが分業の「すき間」を埋めるようになるほど、「つなぐ役割」はかえって見えにくくなる。個人が一気通貫でプロジェクトを完結できる時代に、現実のつなぎ目の重要性は増すが、役割としては軽視されていく。
「もっともらしいプロジェクトが簡単に作れるほど、現実の”つなぎ目”の重要性は増すのに、役割としては軽視されていく」(時田隆佑)
具体的な場面
- 行政と地域住民の温度差の調整
- 事業者と企画側の認識差の解消
- 現場と机上の優先順位の食い違いの調整
- 分業工程間のバトンリレー(議論・摩擦・磨き)
類似概念
- 現場監督と職人のあいだの信頼(どれだけ立派な設計図があっても、信頼がなければ良い家は建たない)
- デザインの不可視化問題 — 目に見える「成果物」にしか価値がつかない文化と同構造
- 余白の仕事 — 効率化で削ぎ落とされる調整・雑談
NEDとの接続
NEDフレームワークのEdit(編集)はこの「つなぐ役割」の核心に近い。膨大な情報の中から「何を残し、何を捨て、どこをつなぐか」判断する力。
出典
- 251114_もっともらしさの時代につなぐ力はどこへ向かうのか(2025-11-14)