コミュニケーションはコストか素材か
定義
組織がコミュニケーションをどう位置づけているか、その無意識の前提を問う軸。
- コストと見る: コミュニケーションは最小化すべき手間。連絡を減らすことが「効率化」
- 素材と見る: コミュニケーションは企画を育てる栄養。栄養の流れを太くすることが「効率化」
同じ「効率化」という言葉でも、この前提が違えば意味が反転する。
機能
組織文化の3層構造 における第3層(無意識の前提)の典型例。表面の選択(第1層)に出てくる変化の根を、この軸で説明できる。
5つの変化例(260514_組織の文化はいかに継承されるのか より):
| 領域 | コスト視点(最小化) | 素材視点(育てる) |
|---|---|---|
| 景品の設計 | 案内所まで出向く(接触最小化) | 早期に複数景品+店頭交換(接触最大化) |
| 応募の仕組み | 郵送 or 案内所、1回抽選 | 各店舗に応募箱、2回抽選 |
| 広報と共有 | 「やりますよ」の告知のみ | インフルエンサーアサイン+進捗生配信 |
| 関係者の巻き込み | 相談なしで事後報告 | 直接関係ないメンバーも巻き込み |
| 協賛の範囲 | 市内限定(閉じる) | 県跨ぎで盛り上がり設計 |
含意
書き手は「素材と見る」前提を組織に残せなかったことを惜しむ。ただし「コストと見る」を生存戦略として理解はできると書く(リソース不足の中での合理的選択)。
私が惜しいと感じているのは、選択の良し悪しそのものではない。「楽しい」という指針が残っていないことのほうだ。
関連概念
- 組織文化の3層構造 — この軸が属する層(第3層)の整理
- アダム・グラントの「ギバー」概念 — 他者志向の人は関係を素材として使い、自分の手間最優先の人は関係をコストとして削る。組織と人のキャラクターは似てくる
- 無意識の前提の継承装置 — 「素材として扱う」前提をどう共有するか
出典
- 260514_組織の文化はいかに継承されるのか (2026-05-14, 時田隆佑)