組織文化の3層構造
定義
組織の文化を3つのレイヤーで捉えるモデル。表面から深層へ:
- 第1層 — 観察できる選択や成果物 (Artifacts): 外から見える。何をするか、何を出すか、どう動くか
- 第2層 — 標榜される価値観 (Espoused Values): 言葉にして掲げているもの。「お客様第一」「楽しい企画を」といった旗
- 第3層 — 無意識の前提 (Underlying Assumptions): メンバーが「当然のこと」として共有している認識。意識に上らない。言葉にしていない。でも、全ての選択の土台にある
文化の実体は第3層。第1層と第2層は、その表れに過ぎない。
由来
エドガー・シャイン (Edgar Schein) の組織文化論(3層モデル)が知的源流だが、260514_組織の文化はいかに継承されるのか では学術用語を出さず、書き手自身の言葉として「3つのレイヤー」を提示している。
機能
3層に分けることで、混同して見えなくなっていた差が見える:
- 第1層の変化が起きていても、第2層(標榜される旗)は変わっていないことがある
- なのに選択の質が静かに変質する理由は、第3層(無意識の前提)が変わったから
土台がずれると、同じ旗を掲げていても、選択の質は静かに変質する。
継承との関係
文化の継承(→ 260514_組織の文化はいかに継承されるのか の核) — 継承は第2層レベル(「言い続けた」「背中で見せた」)では成立しない。第3層まで無意識化される必要がある。
「言い続けた」「背中で見せた」は、第2層の継承にとどまっていたからだ。第3層の無意識の前提までは、届いていなかった。
関連概念
- コミュニケーションはコストか素材か — 第3層の前提の典型例
- 属人化と文化継承の分離 — どの層の話かを切り分ける思考
- 無意識の前提の継承装置 — 第3層をどう共有するか
- 心理的安全性 — 第3層が共有されるための土壌
出典
- 260514_組織の文化はいかに継承されるのか (2026-05-14, 時田隆佑)